ホームページの集客方法として有力なSEO。
広告などと比較してコストもかからず、長期安定した集客が望めることから集客手段のひとつとしてぜひ取り入れたいところではありますが…
気になるのは効果が出るまでの期間ではないでしょうか?
「SEOは時間がかかる」「競合が強いと難しい」なんて話も耳にするかと思いますし、施策を実行してから効果が表れるまで目途が立たないと戦略としても取り入れづらいですよね。
そこで今回は、SEO対策をすると検索順位はいつ上がるのか?効果が出るまでの期間について解説します。
Google公式のアナウンスや一般的な見解に加え、自社の事例も紹介しつつ様々なケースを説明しますので、これからSEO対策を行おうと考えている人はぜひ参考してください。
インデックスと検索順位決定の仕組み
さて、SEOの効果を考えるにはまず「そもそもGoogleとは何者で、どうやって検索順位を決定しているのか?」という仕組みを理解しなければいけません。
そもそも検索エンジンとは何なのか?
検索エンジンとは、インターネット上の情報を収集・整理しユーザーが自由に検索できるシステムのことで、GoogleやYahoo!、Microsoftのbingなどが有名です。
実はWEBサイト(ホームページ)というのは、作成し公開しただけでは検索にはヒットしません。インターネットの世界に存在はしていますが、そのままではURL(https://〇〇.comなど)、つまり住所を正確に入力しなければ辿り着くことができないのです。
ただ、それでは住所を知っているごく一部の人しか閲覧できず利便性が悪いですよね。そこでGoogleなどの検索エンジンと呼ばれるシステムが定期的に情報を収集・反映することで、住所を知らない人でもGoogleの検索窓からキーワードを打ち込むことで関連しそうなWEBサイトにアクセスできるようにしているのです。これが私たちが普段から何気なく利用している“検索エンジン”というものです。
ロボット型検索エンジンとディレクトリ型検索エンジン
検索エンジンにはいくつか種類があり、Googleは『ロボット型検索エンジン』と呼ばれています。
またGoogleのようなロボット型検索エンジン以外にも、『ディレクトリ型検索エンジン』というものもあります。
ディレクトリ型検索エンジンは『住所録』『名簿』のような意味合いで、一定の基準を元に人間が目視で情報を収集したり編集を行います。日本においてはかつてのYahoo!ディレクトリなどがその代表例です。
一方のロボット型はその名のとおり、ロボット、つまりシステムが自動で情報を収集し、検索結果に反映します。
Googleでは『クローラー』というロボットがインターネット上をクロール(巡回)して、新たなWEBサイトを発見・収集したり、既存のWEBサイトの情報更新を反映します。
現在ではシェア圧倒的No.1を誇るGoogleはもちろん、次点のYahoo!もGoogleと同じシステムを採用していますし、主要な検索エンジンではロボット型が主流となっています。
インデックスと検索結果への反映
クローラーが巡回し、WEBサイトを認識、情報をGoogle上に登録しユーザーが検索できるようになるまでの一連の流れを『インデックス』と呼びます。
インデックス(index=目次)の名前通り、自分のWEBサイトをGoogleの目次・リストに加えてもらうということですね。WEBサイトはGoogleやYahoo!などの検索エンジンにインデックスされることではじめて検索できるようになるのです。
つまり、まずは検索順位を気にする前に、そもそも各種の検索エンジンで検索できるように「初期登録」のようなものをしてもらわなければいけないのです。
ちなみにWEBサイトを公開してから検索エンジンにインデックスされるまでの期間はまちまちで、Google公式によると、
サイトやページが新しい場合は、まだクロールやインデックス登録自体が行われていないことが理由で、Google インデックスに含まれていない可能性があります。新しいページが公開されてから Google によるクロールが行われ、さらにインデックスに登録されるまでには、しばらく時間がかかります。インデックス登録が完了するまでにかかる時間は、一般的に合計で 1 日から数週間と、さまざまな要因によって変動します。
と非常にばらつきがあります。
実際にWEBサイトやページを公開していても、すでに評価の付いているWEBサイトであれば数分~数時間でインデックスされることもありますし、逆に公開して間もないWEBサイトなどでは早くても数日はかかる印象です。Googleの仕組み上、既に公開され認識されているWEBサイトに新しいページを作成した場合は比較的インデックスされやすく、全く新しいWEBサイトは発見しづらいためインデックスが遅くなる、という傾向があります。
つまりSEOを考えるためにはそもそもGoogleのシステム上にインデックスをしてもらわないと話にならないのですが、今説明したとおりインデックス登録にもばらつきがありますので、まずはインデックスに当たって適切な対処をして、いかに早くWEBサイトやページを見つけてもらうか?も考える必要があるということです。
検索順位はいつ上がる?SEOの効果が出るまで
Googleにインデックスされて、ひとまず検索で引っかかるようになってからが本番。ここまで来てようやくSEOのことを考えることができるようになります。
さきほども説明したように、インデックスされる最初の段階では初期登録・仮登録のようなもの。とりあえず検索にヒットするようになった、というだけです。
そこからコンテンツの内容や、それを読んだユーザー行動、あるいは個別のページ内コンテンツだけではなくWEBサイト全体の評価が蓄積され、総合的な判断で定期的に順位が入れ替わります。
ですから、基本的には公開直後から好順位に付けるということはなく、公開後徐々に順位が上がっていく、というのが通常の動きです。
その順位の上がりを少しでも効果的、効率的にするのがSEOなのですが…では各種のSEO対策(施策)を実施するとどれくらいで効果が出てくるものなのでしょうか?
Google公式によると4ヶ月~1年
SEOの効果については、実はGoogleが公式に言及しています。
それによると、
成果が出るまで時間がかかることを忘れないでください。変更に着手してからメリットが得られるようになるまで、通常は 4 か月から 1 年かかります。
(Google検索セントラルより)
とのこと。
もちろん必ず4ヶ月かかるわけでもないですし、逆に1年経ったからといって望むような結果が出るともかぎりません。SEOは総合評価であり相対評価なので、WEBサイトの状況にもよりますし、同じキーワードでコンテンツを提供している競合の度合いにもよります。
ただ、さきほどから解説しているクローラーとインデックスの仕組みなどもあり、評価が安定してくるには一定の時間が必要だということには間違いありません。
少なくとも今日施策を行って明日結果が出る、なんてことは通常はあり得ないので、余裕を持った計画を立てていきましょう。
今お話したように、結局のところSEOの効果が表れるのはケースバイケースですので一概にどれくらいで効果が出るとは言えないのですが…もっと具体的に目安が知りたい!という人もいるかと思いますので、ここからは「新規サイトの場合」「既存サイトの場合」の2パターンに分けて説明してきます。
新規サイトの場合:半年~1年以上
まず新規サイトの場合。こちらはある程度の順位が付くまでは半年~、キーワードによっては1年くらいかかると見ておくべきでしょう。
さきほどからの繰り返しになりますが、新しく立ち上げたWEBサイトの場合、そもそもインデックスされるまでに時間がかかりますし、インデックスされてからもしばらくはユーザーの流入はほとんどありませんから、たとえば滞在時間や回遊率(直帰率)など、順位を決定するためのユーザー行動(情報)が蓄積するまでに時間が必要です。
もちろん施策に積極的に取り組み適切な運用を続けたり、ライバルがSEOにあまり力を入れていないなどといった状況であれば、早くて3ヶ月後頃には若干の変動傾向が見られるケースもあります。
ただ、それでも一気に順位がジャンプアップすることはあまりなく、階段を上るように徐々に徐々に順位も上がっていく…というのが基本的な傾向になりますので、やはり狙ったワードで流入が見込めるようになるには半年~1年スパンで考えたいところです。
既存サイトの場合:2ヶ月~
次に既存サイトの場合。こちらは2ヶ月程度で結果が表れ始めることもあります。
既存サイトと言っても色々で、新規サイト以上にそれぞれの運用状況や現在位置が異なるので一括りにはできないのですが…
ある程度公開してから時間が経っているWEBサイトであれば、少なくとも検索エンジンに存在自体は認識されているので、既存ページの改修や新規ページの追加などがあっても、新規サイトよりは早くインデックスされ、順位が付くことも多いです。
またWEBサイト自体の評価が高いと、公開直後にインデックスされ、順位もすぐに好位に付ける、なんてこともあります。これはGoogleが情報の信頼性を重視しているということもあり、Googleが信頼できると判断したWEBサイトを優遇する傾向があるからです。
たとえば全く同じキーワードを狙い、同じような内容を提供する個人サイトと、一部上場企業のWEBサイトがあったらどちらを信用するでしょうか?おそらくほとんどの人は、上場企業のWEBサイトのほうを信用・信頼できるソースと判断するでしょう。
SEOは総合評価なので、すでに評価されている大手企業が運営するメディアの情報が、同じキーワードの競合よりも上位に来やすいのは必然なのです(もちろん上場企業だから、大手企業だからといって無条件に評価されるわけではありませんが…)
ですので、既存サイトに関しても、結局は個々の状況によって異なるというのが結論なのですが、少なくとも評価を受ける土台は整っているという点で、まっさらな新規サイトよりは比較的早く効果が表れやすいと言えます。
実際の事例で見る検索順位の推移
というわけで、ここまでは公式情報や一般的なケースをもとにざっくりとSEOの効果と期間についてお話してきましたが、もう少しイメージが付きやすいように、ここからは弊社が運営する実際のサイトの事例をいくつかご紹介します。
ケース1:「ホームページ制作 SEO」
まずは当サイト「メイクリ」のデータをご紹介します。
当サイトはSEOやWEBマーケティングの情報を発信するメディアで、ユーザーの流入もほぼ100%がSEOによる自然検索からの流入になります。
流入ワードは様々ですがたとえばよく読まれている下記の記事などは、
- 「ホームページ制作 SEO」
- 「SEOに強いホームページ」
といったワードで上位表示し、多くの流入を獲得しています。
ではいつから、どのように順位が推移してきたのか?というと、
※クリックで拡大
図のような感じです。
この記事は初稿公開日が2021年1月14日。2022年10月現在、サーチコンソールで遡れるのが16ヶ月前までの2021年6月までなのでそれ以前のデータは残っていないのですが、少なくとも遡れる中で一番古い6月時点ではまだかなり順位も上下に乱高下し変動していますよね。
そしてちょうど半年が経つ2021年7月の中旬~下旬頃にかけて、右肩上がりにグッと順位が上昇し、その後も安定して1~3位前後と上位をキープしている…といった形。
こちらのデータは典型的な推移をしているので非常に分かりやすいのではないかと思います。
上記の記事はテーマがSEOということで、同じキーワード・テーマでコンテンツを提供しているライバルサイトも、SEOを熟知している企業のメディアが多く、比較的競争も激しいところです。
それでも、適切に対策を施せば、上記のように長期安定して上位表示することも不可能ではありません。
また当WEBサイトは2022年10月現在、年に数本ペースでしかコンテンツを公開できていないため、他のコンテンツからの回遊やサイト全体の流入強化といった施策は取れず、ほぼコンテンツの力のみでの勝負となっています。
もう少し更新頻度が高くサイト全体でのSEO戦略も積極的に取り組むことができれば、より早く上位表示も可能だったかと思いますし、より幅広いキーワードでの流入も見込めるでしょう。ここは要改善点ですが…それでも、このように正しい戦略設計ができていれば闇雲にコンテンツを更新しなくても上位は獲得できる、という良い例ではないかと思います。
ケース2:「札幌 海鮮丼」
続いては、弊社運営の『ポロノオト。』のデータをご紹介。
『ポロノオト。』は北海道札幌市のグルメ、イベント、観光スポットやお得情報などあらゆる情報を紹介するローカルメディアで、立ち上げ以来順調にアクセスを伸ばしています。
そんな『ポロノオト。』でも人気の記事が下記です。
こちらは札幌市内で食べられるおすすめの海鮮丼のお店をまとめた記事ですが、公開当初から狙い通り「札幌 海鮮丼」などの主要ワードで順位が付き、多くのアクセスを集めています。
その詳細なデータがこちら。
※クリックで拡大
実際に検索していただければわかると思いますが、「札幌 海鮮丼」は札幌市民はもちろん市外、道外の観光客の方など多くの人が検索するワードで、上位表示すれば流入も見込めるためコンテンツの供給も多く競争も激しいワードです。
弊社サイトと同様のローカルメディアだけではなく、大手の旅行サイトやグルメサイト、テレビ局や新聞社といったマスメディアが大元の運営サイトなどもライバルになってくるため、ある意味さきほどのSEO系ワードよりも対策が難しいワードかもしれません。
その証拠に、2020年9月に記事を公開して以降、上位を獲得している期間もあれば順位が変動している期間もあり、なかなか安定しない時期が続いています。
特にお店の紹介記事などは閉店や移転などが頻繁に起こるため、記事を公開してからも定期的なメンテナンスが必要になったりと、実はなかなか手間のかかるコンテンツだったり…。新しいお店ができるたびに新しいライバルもどんどん誕生しますし、情報の鮮度が重視されるジャンル・キーワードでは、新しい記事が評価されやすいという場合もあります。
様々な要因が重なり、継続して安定上位を獲得するのが難しいキーワードではあるのですが、それでも2022年6月以降は再び安定して上位を獲得することができています。
ちなみにこのようなグルメやスポットなど観光客向けの情報は観光シーズンのピークと閑散期では全くアクセスが異なり、その影響で順位も動きやすかったりするのですが、2020年以降ここ2年間は世界的な感染症の流行により特にアクセスの上下が激しく、そのために通常とは異なる特殊な動きをしている、という点も考慮しなければいけません。
実際に、2年ぶりに行動制限のない夏休みとなった2022年7月以降、1年前と比較して順位の大きな変動はないのにGoogle上での表示回数(≒ユーザーが検索した回数)は激増していて(下図参照)、
※オレンジが検索での順位、紫が表示回数、水色がクリック数です
※クリックで拡大
その前後から、順位も再び安定してきている、ということがわかります。
なぜこのような動きになったのか?というのは色々と要因が考えられるのですが…ひとつにはユーザーの検索総量が増えたことで、コンテンツを正しく判断する情報が集まりやすくなった結果、ページの再評価に繋がったのではないか、と推測されます。
いずれにせよ、正しく施策を行ったコンテンツであればゆくゆくは評価が付いてくる…ということですね。
SEO成功の秘訣は焦らず、着実な積み重ねにアリ
今回はSEOの効果が出る期間について、Googleの仕組みといった大前提や、実例を交えて解説しました。
もう一度要点をまとめておくと、
- SEOの効果は4ヶ月~1年以上(Google公式より)
- 既存サイトは比較的早く、新規サイトはより時間がかかる
- 当初から長期スパンで計画を立てていけばうまくいく
ということです。
ジャンルやキーワードの持つ性質によって様々ですが、ある程度需要のあるキーワードをSEOで狙う場合、当然同業他社などのライバルも同じキーワードを狙ってきますから、対策をしてもすぐに効果が出るということはありません。
しかし、長期目線で対策を立てていけば、ライバルに打ち勝ち上位を獲得することもまた不可能ではありません。
SEOは上位を獲得すればその後も長く安定的にアクセスを呼び込んでくれる非常に効果の高い集客方法です。
焦らず、半年~1年といった長期計画で対策を立てて、着実に検索上位を獲得していきましょう。
SEOを始めとするネット集客、WEBマーケティングについて不安なことや疑問がある…という人は、ぜひ弊社までご相談ください。
自社保有のメディアで常に検証を重ね得られた情報・知見から、机上の空論ではなく理論と実践両方に基づいてあなたのWEB戦略成長のお手伝いをさせていただきます。